映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

TVドラマ『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』ネタバレなしの感想。死者と対話できる刑事を描く

■評価:★★★☆☆3.5 

 

「刑事の苦悩」



【映画】BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係のレビュー、批評、評価

 

2014年4月10日から6月5日までにテレビ放送された刑事ドラマ。
脚本は、原作小説の『GO』、脚本の『SP 警視庁警備部警護課第四係』を手がけた金城一紀

 

【あらすじ】生死の境をさまよったことをきっかけに、「死者と対話することができる」という特殊能力が発現した主人公の刑事・石川安吾が、無念の死を遂げた人々の声に耳を傾け、生と死、正義と法、情と非情の「BORDER(境界線)」で揺れ動きながら事件に立ち向かっていく姿を、スリリングに描き出していく。

 


2023年6月現在、テレビでは、キムタク主演の『教場0』が放映されている。
教場0の視聴に伴い、SPドラマとして放送された『教場1』を鑑賞したのだが、かなり楽しめる物語だった。
教場シリーズも原作は小説。
通常の警察小説とは異なり、未来の警察官を育てる警察学校が舞台となっている。

何となく、警察の物語が欲しくなり、『警察ドラマ おすすめ』でネット検索をした。
確認したとあるサイトのランキングでは、多くの有名な警察ドラマが軒を連ねていた。
その中で聞き覚えのない作品にいくつか食い込んでいた。

その一本が『BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係』だった。
あらすじを読むと、死者と対話ができる主人公という設定が漫画的で興味を持った。
レンタルして実際に鑑賞すると、すぐに心を掴まれた。
何が良いって、ダークな雰囲気を醸していて、シリアス感、全開なのだ。

もちろんコメディタッチの警察ドラマも良い。
だが、警察って国民を取り締まる立場の治安組織なので、細かいルールが敷かれた組織。
そのため、個人的にはどこか深刻で、厳かな空気感の物語を望んでいる。

あと、冒頭で主人公が死にかけるという展開もいい。
開始十分程度で、謎の男によって、主人公の脳に弾丸を撃ち込まれ、命が絶え掛かる。
生死を彷徨い、辛うじて命が繋がる。
結果、頭の残った弾丸の影響により、死者と会話ができるようになる。
この流れも説得力があって良かった。
ただ、最初から能力を持っているのではない。
脳の弾丸が残るという、普通に生きる人間は決して体験することのない特異な状況だからこ能力が発現しているという設定は、観客も納得できる。

些細なことなんだが、主人公が撃たれる構図のルックも良かった。
ただ、撃たれるのではない。
怪しい人物を主人公が追い掛けるのだが、新たにもう一人、謎の人物が現れ、躊躇なく撃たれる。
この構図がスタイリッシュで良かった。
言葉で説明するのも難しいので、直接、確かめてもらいたいところ。

躊躇なくで思い出したが、セリフが過剰でないのも良かった。
普通、TVドラマは誰でも楽しめるように、説明過多でセリフが多くなりがち。
また、格闘や争いシーンなど、戦いながら会話する演出が、私はどうも苦手。
普通、戦っているときって、会話する余裕がないように思える。
それに過剰な説明をされると、子供扱いされているみたいだし、テンポも悪いしで良いことが少ない。

本作は、戦いのシーンでセリフがなく、躊躇なく撃ったり、あるいは次の一手を打つシーンが見られた。
このスピード感や生々しさは、良くあるTVドラマとは思えない演出で良かった。

若干気になるのが、本作のクライマックスシーン。
本作は、最後にビックリするような展開を迎えることで有名。

そのため、私もワクワクしながら鑑賞した。
結果としては、たいしたことなかった。
確かにビックリはさせられるんだが、唐突感が否めない。
伏線がちりばめられていて、最後にどんでん返しを迎えてくれるのなら良い。
だが、別に伏線もなく、唐突に想像とは異なる結末を迎えるだけ。

不満点はありつつも、全体的には好みな作品だった。
魅力的なキャラクターも多数登場する。
好きだったのは、掃除屋として登場する目つきが鋭い男。
彼の知将っぷりは、鑑賞後の余韻に浸らせてくれた。

あと、本作は基本、1話完結となる。
中にはすっきりしない尾を引く話もあったりする。
警察組織ならではなのかなと思わせられる。
警察は正義という大義名分で、犯罪者を取り締まる仕事。
だが、その正義が時には揺らいでしまう瞬間がある。
犯人はすぐそこにいる。
だが、事情があって捕まえることができない。
自らの正義を真っ当すると、面倒な事態に陥る。
そんな葛藤が描かれているのも生々しいドラマを見ているようで良かった。

人生って単純じゃない。
単純なら、人が抱えるすべての悩みは解消されるから。

 

 

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■ガンニバル

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■罪の声

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BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係の作品情報

■監督:橋本一
波多野貴文
■出演者:小栗旬
青木崇高
波瑠
古田新太
野間口徹
浜野謙太
滝藤賢一
遠藤憲一
WikipediaBORDER

 

BORDER 警視庁捜査一課殺人犯捜査第4係を見れる配信サイト

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Netflix:-
※2023年6月現在