映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『グースバンプス モンスターと秘密の書』ネタバレなしの感想。本に封印された怪物たちが具現化される

■評価:★★★☆☆3.5 

 

「怪物映画ってワクワクする」



【映画】グースバンプス モンスターと秘密の書のレビュー、批評、評価


シャーク・テイル』『名探偵ピカチュウ』のロブ・レターマン監督による2017年公開のジュブナイル・ホラー映画。

 

ニューヨークから田舎町に引っ越した少年は、隣に住むホラー作家の男と知り合う。その男には、どこか不思議な雰囲気があった。そんなある日、作家の家に隠し部屋があるのを見つけた彼は、そこで鍵のかかった大量の本を発見。そして、興味本位で本を開き、中に封印されていた恐ろしい怪物たちを解放してしまう。

 


本作はR・L・スタインの児童向けホラー小説『グースバンプス』を原作とする。
アメリカでは1992年より62巻以上出版されている人気シリーズ。
日本でも1995年8月に刊行されているが現在は廃盤状態。
マイナーな作品らしく、私もこの映画で初めて、本シリーズを知った。

世間の評判が良くて鑑賞したが、個人的には結構楽しめた。
何より良かったのが、ハリーポッター的なTHE海外ファンタジーを見ている感である。

田舎町に引っ越してきた主人公の男子高校生の住む家の隣には、性格の悪いオッサンが住んでいる。
田舎ではあるあるの、近所にいるやかましい口うるさいオッサンである。
名前はR・L・スタインで、原作者が同じ名前で主演している。
そんなオッサンの娘はとても可愛らしく、主人公はすっかり一目惚れする。
色々あって、そんな性格の悪いオッサンが所有するの付きの本を開けてたことで、様々なモンスターが出現してパニックになる、といった流れ。
狼男や透明人間、不気味な腹話術人形が具現化し、主人公の住む街を破壊し、人々に襲いかかる。

久しぶりに、ストレートなファンタジー映画を観たので、何だかワクワクしてしまった。
そもそも本から出てくるというアイディアも面白い。
本作は、R・L・スタインが特殊なタイプライターで、あまりに臨場感のある怪物を小説で描いてしまったため具現化するようになってしまった、という設定。
ぶっ飛んだ展開ではあるけど、設定自体は自然というか、良い発想だと思えた。
なぜなら素晴らしい作家の小説は、登場するキャラクターたちが生々しく、臨場感たっぷりに描かれる。
彼らの精神状態に、読者は一喜一憂し、深く感情移入してしまう。
だから、具現化するという設定は、ある意味、読者が求める究極形とも言える。
素晴らしい作品を繰り返し視聴したり読んでしまうのは、また魅力的なキャラクターたちに会いたいから、が主な理由だから。

更に終盤では、ちょっとした捻りのある展開をみせてくれる。
原作者が大御所作家なだけあって、想定外の流れにはワクワクさせられて良かった。
ついつい「こんな展開も見てみたかった」みたいな、自分なりのアイディアも浮かんでしまった。
こう思う映画って、良い映画の証拠である。
なぜなら、退屈な映画はアイディアすら考えるのも億劫なので。

本作は「未体験ゾーンの映画たち2017」の上映作品。
このイベントで上映される作品は、一般公開されなかったマイナーな海外映画である。
そのため、当たり外れが激しい。
糞みたいな映画がある中で、本作は完全に当たりの部類。
というか本作のレベルの映画が、一般上映されなかった事実に驚きである。
映像は綺麗だし、迫力のあるシーンも多かったので、劇場で鑑賞したかった。

続編の『グースバンプス 呪われたハロウィーン』の存在する。
個人的に続編の物語は好きではないが、本作は世界観が良かったのでぜひとも鑑賞したい。

 

■ファンタジー作品のおすすめはこちら

すずめの戸締まり

movies-ocean.hatenadiary.com

 

グースバンプス モンスターと秘密の書の作品情報

■監督:ロブ・レターマン
■出演者:ジャック・ブラック
ディラン・ミネット
オデイア・ラッシュ
エイミー・ライアン
イアン・リー
ジリアン・ベル
Wikipediaグースバンプス モンスターと秘密の書
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):78%
AUDIENCE SCORE(観客):62%

 

グースバンプス モンスターと秘密の書を見れる配信サイト

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※2022年10月現在