映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます。(直近で観たものに限る。たまにアニメ・ドラマ・小説も)面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『恋人たち』ネタバレなしの感想。恋愛関係に葛藤を抱える3人の男女を描く

■評価:★★★☆☆3.5 

 

「恋愛関係の葛藤のつらさ」



【映画】恋人たちのレビュー、批評、評価

 

渚のシンドバッド』『ぐるりのこと。』『ハッシュ!』の    橋口亮輔監督による2015年公開のドラマ映画。

 

自分に興味を持たない夫や反りが合わない姑と生活するパート主婦、同性愛者の男性弁護士、妻を通り魔に殺害された男。3人はもがき苦しみながらも、何気ない日常からかけがえのないものを見つけていく。

 

 

昔良く聞いていたラッパーで映画評論家の宇多丸が、ラジオで本作を絶賛していた。
地味そうな内容で敬遠していたが、ようやく鑑賞できた。


テーマ自体は、斬新さは感じられないありふれた内容。
自分に興味を持たない夫を持つ主婦、同性愛者の男性弁護士、妻を通り魔によって命を奪われた男の3人の主人公による群像劇。
タイトルの通り、恋愛関係で抱えた葛藤に、もがき苦しみながらも強く生きようとするキャラクターたちが描かれる。

題材に新しさはないので、最終的に彼らがどんな結論に至るのかは容易に想像はつく。
だが、本作はキャラクター造形に魅力を感じた。

3人に共通して良いと思ったのが、決して人生を投げ捨てていないところ。
物語が始まった冒頭から、3人とも絶望状態である。

主婦の瞳子は折り合いの悪そうな姑と、まるで自分に関心のない夫と3人暮らし。
彼女の唯一の楽しみは、推しである雅子妃の動画を観たりすることのみ。
家は生活感に溢れていて、やけに暗い室内の中、希望の欠片すらない生活を送っている。

弁護士の四ノ宮も、妻を失ったアツシも、生まれ変わったら誰にもなりたくない悲壮感を漂わせている。
四ノ宮自体、高収入の見込める仕事には就いていて雰囲気は明るい。
だが、性的マイノリティの人生は、苦悩の連続に疑いの余地はない。

そんな彼らだが、絶対に幸せになってやる、あるいは目的を達成してやる、といった強い意気込みを持っているのだ。
決して褒められない目的を持つキャラもいる。
だが、褒められない目的でも達成する意思が強いから、キャラクターに魂が宿っている。
エネルギッシュなキャラはそれだけで魅力的。
消極的なキャラほど、魅力的に感じられないので、観客からしたら応援しがいはない。

あと、セリフが良かった。
絶妙にユーモラスで、脚本家予のオリジナリティを感じさせる会話の応酬が随所に見られた。
セリフが面白いだけで、物語は見応えを感じる。
次にどんな言葉を発するのか、想しながら楽しんで鑑賞できた。

ラストに向けての展開だったり、低予算映画らしい起伏の控えめなドラマ映画なので、人には勧めがたい。
映画好きならハマりそうな一作。

 

■大人の愛を描く関連作品はこちら

レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで    

movies-ocean.hatenadiary.com

恋人たちの作品情報

■監督:橋口亮輔
■出演者:篠原篤
成嶋瞳子
池田良
Wikipedia恋人たち


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