映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで』ネタバレなしの感想。倦怠期の夫婦がパリでの新生活を計画する

■評価:★★★☆☆3

 

「倦怠期の夫婦の苦悩」

 

【映画】レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまでのレビュー、批評、評価

 

アメリカン・ビューティー』『ロード・トゥ・パーディション』『007 スカイフォール』『007 スペクター』『1917 命をかけた伝令』のサム・メンデス監督による、2009年公開のドラマ映画。

 

1950年代のアメリカ。フランクとエイプリルは、子供にも恵まれ幸せに暮らしていた。ニューヨーク郊外のコネチカット州にある「レボリューショナリー・ロード」と呼ばれる通りに面した庭付きの一軒家、都会の大企業への電車通勤、週末のリゾートへの小旅行。まさに二人は戦後のアメリカが黄金期を謳歌していた時代の体現者だった。だが、2人はそんな暮らしにどこか閉塞感を抱いており、絵に描いたような「幸福な家族」の崩壊は間近に迫っていた。

 

とある映画レビューYOUTUBERが【恋人同士では見てはいけない映画ランキング】みたいな企画を行っていた。
ファントム・スレッド』『ブルーバレンタイン』と一緒に、本作が挙げられていたので、興味を持って鑑賞した。

結論から言うと、めっちゃ地味な内容の映画だった。
倦怠期の夫婦が主人公。
折り合いのつかない二人の関係性はもはや、いつ壊れてもおかしくないギリギリの状況。
そんな中で、妻が夫婦の関係性を修復するための最後の打開案として、かつて夫が夢見ていたパリでの生活を提案する。
夫も最初は今の安定した仕事を捨てる勇気が持てずに渋るも、夢に溢れる未来に期待を抱き、パリ行きの準備を始める――といった流れが冒頭。

鑑賞していて思ったのが、「早くパリに行って欲しい」といった期待だった。
個人的には、パリに行った新天地でのトラブルに苦しみながらも、何とか乗り越えていく二人を見守りたかった。

だが、二人は全然パリに行かない。
妻にちょっとしたトラブルがあったりして、パリ行きの話がまったく進展しないのだ。

さらに物語のほとんどが、二人の家で展開される。
たまに職場であったり、出掛けた先のお店などシチュエーションが変わる。
だが、メインは二人の住む家が舞台になる。
私としては家が舞台だけ、という変わらない映像にも物足りなさを感じた。

いうなれば、本作はワン・シチュエーション・ドラマである。
一つの舞台で繰り広げられる物語を指す。
ワン・シチュエーションの代名詞といえば、有名な映画に『SAW』がある。
古い廃墟のような浴槽などがある部屋で、鎖に繋がれた二人の脱出劇を描く。
なぜ誘拐され、繋がれているのか。
いったいどうやって脱出するのか。
多くの謎が存在する『SAW』は、ワン・シチュエーションでも飽きることなく見続けられる。

だが、本作は当然ならミステリー要素のような強いエンジンは存在しない。
ただ二人が家でぶつかり合ったり、時には仲良くなったりする姿だけが流される。
私の集中力が続かず、早く終わって欲しい気持ちになった。

とはいえ、良かったところもある。
時代の雰囲気も良かった。
美術やレトロなファッションなど、50年代のノスタルジックな雰囲気は素晴らしい。
さらに音楽も良かった。
アメリカン・ビューティー 』を彷彿とさせる雰囲気のあるピアノの旋律が、物語と合っていて良かった。

あとは何といっても、タイタニックで共演した二人が、再び、同じ画面で見られるというところ。
私はタイタニック直撃世代で、子供の頃に繰り返し観た鑑賞した数少ない洋画の一つだった。(他はターミネーター2など)
レオナルド・ディカプリオケイト・ウィンスレットが一つの画面で交流しているだけで感慨深いものがあった。
何ならタイタニックのその後の物語でも観るような不思議な感覚だった。

満足度はそこまで高くない内容だったが、鑑賞して損はない一作だった。

 

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すずめの戸締まり

movies-ocean.hatenadiary.com

レボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまでの作品情報

■監督:サム・メンデス
■出演者:レオナルド・ディカプリオ
ケイト・ウィンスレット
Wikipediaレボリューショナリー・ロード 燃え尽きるまで(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):67%
AUDIENCE SCORE(観客):71%

 

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※2022年11月現在