映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

Netflixドキュメンタリー『史上最悪のルームメイト』ネタバレなしの感想。裏の顔を持つ同居人の恐怖を描く

■評価:★★★☆☆3.5 

 

「ルームメイトの恐ろしさ」



【映画】史上最悪のルームメイトのレビュー、批評、評価

 

 

ルームメイトの正体。それは凶悪な詐欺師や冷酷な殺人鬼だった。悪夢のような同居生活の体験者たちが、その想像を絶する恐怖を語るドキュメンタリーシリーズ。

 

 

Netflixドキュメンタリーのおすすめを紹介しているブログに記載されていたので鑑賞してみた。
全5話構成になっていて、最終話だけ前編後編に別れている。
ドラマではなくドキュメンタリーなので、合計4人の人物が実際に遭遇した恐ろしいルールメイトを紹介する。

主な流れとしては、サイコパス・ルームメイトの被害者の身に具体的に何があったのか。
または家族や友人が、加害者はどういった人物なのか、子供時代は普通とは違う人物だったのか、についてを語る。

良かったのが、再現VTRをアニメーションで描いているところ。
非常に、当時の被害者と加害者とのやりとりや状況がイメージしやすい。
本作は日本語吹き替えはなく、字幕のみの動画だが、かなり観やすさを意識した作りになっているところは好感が持てる。

個人的にインパクトがあったのは、1話目と4話目。
1話目はホームレスのような一人では生活できない精神疾患者を、下宿先として優しく受け入れる家の世帯主の老婆のエピソード。
老婆でイメージする内容といえば、優しいとか、面倒見が良い、知識が豊富、か弱いなど。
ネガティブなイメージがあったとしても頑固で口うるさい程度である。

だが、1話に出てくる老婆は、極悪非道そのものである。
ただの犯罪じゃない。
まるで人間という生き物を辞退したいような、ヒューマニズムを踏みにじる冷酷な所業である。
しかも、社会的に弱者である連中に対して、無慈悲な所業に及んだ結果の姿が、生々しく映像に流れるのは胸くそでしかない。
さすがはフィクションではないドキュメンタリーならではもリアリズム。

老婆が警察に口にした「私も昔は良い人間だった」という言葉が印象的だった。
果たして本当にそうなのだろうか。
老婆のような血の涙もないサイコパスは、本当に子供の頃はまともだった、なんてありえるのだろうか。
育った環境程度では変わらない、DNAに刻まれた極悪性が、このような所業に至らしめたとしか思えない。
遺伝については、今も多くの科学者が研究をしている。
いずれは犯罪者の性質・共通点について、より詳しいことが判明するだろう。
見終わった後もどんよりとした気持ちになる最悪な内容だった。

4話目の男も印象的だった。
この男は異様に頭がよく、法の知識が備わっている。
合法的に、人の家を乗っ取る悪癖を持っている。

発想が恐ろしいと思う。
なぜ、人のものを奪うことに執着するのだろうか。
私は人のものを奪いたい願望はまったくない。
何なら自分で何かを生み出したい欲求を強くなっているから。
そのために、6年以上、小説を書き続けている。
なかなか芽はでないが、いずれは人に認められる最高の作品が作れることを信じて、努力を継続している。

語られることはなかったが、一体なぜ、彼が人のものを奪うことに固執するのかに強い興味を覚えた。
ただ、この疑問に対する回答は、ラストに描かれた彼の行動が示しているのだろうなと思う。
ぜひ、ラストシーンを見て確認してもらいたい。

映画ばかり観ていたが、たまにはドキュメンタリーシリーズも悪くないなと思った。
臨場感が、フィクションの映画とは段違いである。

 

 


人間の恐ろしさを描いたおすすめ作品はコチラ。

■偽りなき者

movies-ocean.hatenadiary.com

 

史上最悪のルームメイトの作品情報

■監督:ドミニ・ホフマン
■出演者:アレックス・ミラー、 キャリー・クイン、 ソニア・アセヴェド、
Wikipedia史上最悪のルームメイト(英語)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):54%

 

史上最悪のルームメイトを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:-
Netflix○(見放題)
※2023年1月現在