映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』ネタバレなしの感想。陰キャな少女がバンドを組む

■評価:★★★★☆4

 

「インキャの青春」



【TVアニメ】ぼっち・ざ・ろっく!のレビュー、批評、評価

 

はまじあきによる同名の4コマ漫画を原作とする2022年10月放送のTVアニメ。

 

【あらすじ】極度の人見知りで陰キャな少女、後藤ひとり。バンド活動に憧れギターを始めるも友達が出来ず一人で練習する毎日。ある日“結束バンド”というバンドでドラムをやっている伊地知虹夏に声をかけられ1日だけサポートギターをすることに……

 

アニメのランキングサイトやアニメや漫画をレビューするYOUTUBERなど、各方面で話題になっていたので鑑賞した。
結論からいうと、かなり面白い内容で一気見してしまった。

そもそも、主人公・後藤ひとり(ぼっち)のキャラクターが爆発的に魅力的。
子供の頃から友達がいない、独りぼっちがデフォルトの女の子。
TVをきっかけに「引きこもりでもロックをやればヒーローになれる」的なミュージシャンの言葉に感化されて、ギターを持ち始める。
でも、中学時代は誰ともバンドを組めずに卒業する。

この、引きこもりの子が頑張ってみたけど、友達ができなかった、という流れが愛しい。
愛しくなるのに、もう一つ大きな理由がある。
彼女は決して虐められているわけではない。
ただ、性格が人見知り。
ただ、被害妄想が酷くて、人が恐いだけ。
だから、ひとりが人を怖がる姿を見てもシリアス感はなく、痛々しくもない。
友達を作りたいと思ってギターを初めても、友達ができない結果になるのも、何だか滑稽で笑えてくる。

陰湿ではない温かい世界感で彼女は奮闘するので、安心して見ていられるし、もちろん視聴者は応援したい気持ちにもなる。

バンドメンバーも個性があって魅力的。
特に主人公のぼっちの後に入ってくる虹夏が、アイドル気質で、誰からも愛され、彼女自身も分け隔て無く人と接する、陽キャ
インキャであるぼっちが、陽キャである彼女にビビる流れも最高に面白い。

今まで生きてきて陽キャが恐い、なんて発想はなかった。
私自身はちょうどインキャと陽キャの真ん中くらいの属性。
なので、陽キャの友達もいればインキャの友達もいる。
だから陽キャが恐いという、ぼっちの意味不明な繊細さが面白く感じたし、キャラ性がはっきりと現れていて良かった。

あと、ビックリするくらい男が出てこないのは印象的。
メインキャラは全員、女子。
父親も出てくるけど、一瞬だけ。
彼女の周りは女子に囲まれている。
なので、ぼっちが男と接する姿も観てみたい。
ぼっちが恋に落ちて、どんなぶっ飛んだリアクションを見せるのか。
音楽は感情が深く関わるものなので、ぼっちが作る曲にどう反映されるのかも見てみたくなる。

シンプルに曲も良かった。
割と早い段階で、ぼっちが加入するバンド『結束バンド』はオリジナルの曲をやる。
そもそも、『ぼっち・ざ・ろっく!』のバンドメンバーは高校生だが、バンドの活動場所は外のライブハウス。
かつてのアニメ『けいおん』の学校内の軽音楽部でバンドを組む流れとは少し異なる。

ライブハウスでは本来、客を呼ぶために、オーナーがデモ音源を聞いて、自分のライブハウスでライブさせるかどうかのオーディションを行う。
軽音楽部とは異なる、金銭が発生するので、ステージに立つだけでもシビアな世界。
そのためにオリジナル曲を披露する。
この曲が良かった。
ちゃんとしたロックの曲だし、ガールスバンドらしいポップさもある。
サントラをゲットしたくなるレベルのクオリティになっていた。
実際に、CDはそこそこ売れたらしい。
せっかくなのでYOUTUBEのリンクを貼っておく。

www.youtube.com

あと全12話という短さも良かった
サクサクっと1~2日で鑑賞できた。

原作はまだ完結していないので、恐らく、シーズン2、シーズン3と続くと思われる。
キャラが良い物語なので、シーズン1の最終話を見たあとは、ちょっとしたロスに陥った。
早く続きを見せて欲しいところ。

 

ぼっち・ざ・ろっく!の作品情報

■監督:斎藤圭一郎
■出演者:青山吉能
鈴代紗弓
水野朔
長谷川育美
Wikipediaぼっち・ざ・ろっく!


ぼっち・ざ・ろっく!を見れる配信サイト

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※2023年5月現在