映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『スーサイド・スクワッド』ネタバレなしの感想。罪者だけを集めた特殊部隊が世界の危機に立ち向かう

■評価:★★☆☆☆2 

 

「ヒールの魅力」



【映画】スーサイド・スクワッドのレビュー、批評、評価

 

エンド・オブ・ウォッチ』『サボタージュ』『フューリー』のデヴィッド・エアー監督による2016年公開のアクション映画。
原作はDCコミックスの同名のスーパーヴィラン・チームをベースとする。

 

【あらすじ】スーパーマンが消えた世界に危機が訪れる。そこで政府は服役中の悪人を集め、特殊部隊「スーサイド・スクワッド」を結成。冷酷なスナイパー・デッドショットやジョーカーに思いを寄せるハーレイ・クインらは、自らの減刑と引き換えに、危険な任務を引き受ける。そして、命令に背くと自爆する装置を身に着けた凶暴犯たちが解き放たれる。

 


本作は公開前、大きな話題を集めていた。
DCコミックスヴィランが集まり、チームを結成して地球のピンチに立ち向かうあらすじ。
DCコミックスの代表作といえばバットマンが挙げられる。
本作は、名作であるバットマンのリブート作品『ダークナイト』以降、新しい俳優によってジョーカーが演じられるということで、話題になっていた印象が強い。
だが、実際に公開されると、あまり高い評判を得ていなかった。
アメリカの批評サイトのロッテントマトでも、批評家の評価は26%と散々な結果。

とはいえ、ヴィランが集まるという設定は面白いので何となく鑑賞してみた。

結論から言うと、やはり大して面白い内容ではなかった。
そもそも、ヴィランが誰が誰なのか全く分からない。
火を使う男や下水に住む見た目が爬虫類のような男、あるいはとてつもない射撃の精度を持つ男・フロイドなど、7~8人たちのヴィランが登場する。
一体、どういう悪役なのか、内面が深く説明がされない。
そのため、誰にも感情移入しない。

唯一、ジョーカーの女である元精神科医のハーレイクイーンとフロイドは少しだけ過去が描かれる。
だが、それも感情移入が捗るほどの内容でもないので、ただただ、画面の中で民度の低い連中が暴れているだけに見える。

もっと最悪だったのがアクションシーンの魅力のなさ。
戦闘がまったく面白くない。

例えば、フロイドは確かに凄いスナイパーで、序盤で、アクロバットな射撃を見せてくれる。
このシーンは面白い。

だが、ヴィランチームの中には特技の設定が曖昧なキャラもいる。
分かりやすい特技を持つキャラがいても、映像映えするような見せ方をしてくれない。
よって、アクションでカタルシスを覚えるシーンが1つもなかった。

ちなみに、対峙する敵と戦う際は、ヴィランチームだけでなく、米国の特殊部隊も一緒に戦うことになる。
特殊部隊もみんな、がんがん銃を使うので、射撃能力に優れたフロイドの見せ場もあまりなかった。
いっそ、特殊部隊なんて参戦せず、ヴィランチームだけで戦いに挑む流れのほうが良かったのではないか。

あと、世間の評判の良いハーレイクイーンの戦いもしょぼい。
ハーレイクイーンも普通に銃を使う。
近距離はバットでぶん殴る。
こんな普通のやつだったら、誰でもいいのではないだろうか。
ハーレイクイーンがチームに加入させられている必然性が感じられない、平凡な戦闘能力である。
せめて元精神科医らしく、敵をマインドコントロールしたりと、見せ方はいくつかあるはず。
ホットな女子だから、女性的な魅力で誘惑する併せ技を展開させたっていい。

これほど、退屈なアクション映画を見せられたのは久しぶり。
設定だけは魅力的だけど、蓋を開けたら肩すかしも良いところ。

唯一良かったのはハーレイクイーンのキャラ性。
ただのビッチではあるんだが、底なしにポジティブ。
戦いが始まる際も、一人だけ陽気でピクニックでも行くようなノリである。

また、衣装もやたらセクシーで良い。
尻も半分出てる超絶短いパンツも滑稽で笑える。

ハーレイクイーンがいるだけで、かろうじて観られる酷いクオリティ。
この映画、ハーレイクイーンがいなかったらどんな地獄のような内容になったのだろうか。

続編の評判は高いらしいが、どうも観る気にはなれない。
ハーレイクイーンが単独で出ている『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』のほうが関心がある。

 

アクションシーンが見応えのある作品のおすすめはコチラ。

■ガンニバル

movies-ocean.hatenadiary.com

 

 

スーサイド・スクワッドの作品情報

■監督:デヴィッド・エアー
■出演者:ウィル・スミス
ジャレッド・レト
マーゴット・ロビー
ヨエル・キナマン
ヴィオラ・デイヴィス
ジェイ・コートニー
ジェイ・ヘルナンデス
アドウェール・アキノエ=アグバエ
福原かれん
アイク・バリンホルツ
スコット・イーストウッド
カーラ・デルヴィーニュ
Wikipediaスーサイド・スクワッド
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):26%
AUDIENCE SCORE(観客):58%


スーサイド・スクワッドを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)○(字幕・見放題)○(Blu-ray)
Netflix○(見放題)
※2023年5月現在