■評価:★★★★☆4
「友情は最強の力になる」
【映画】RRRのレビュー、批評、評価
『バーフバリシリーズ』のS・S・ラージャマウリ監督による2022年10月21日公開のインド制作のアクション映画。
【あらすじ】イギリス植民地時代のインド。ゴーンド族のビームは、軍に連れ去られた少女を奪還すると誓う。そんな中、ある列車事故をきっかけに、ビームは警察官ラージュと友情を育んでいく。
インド映画と聞いて、誰もが思い浮かべるのがお笑い芸人コンビのウッチャンナンチャンの南ちゃんが主演した『ナトゥ 踊る!ニンジャ伝説』である。(インドロケをした邦画だが)
そのくらい2023年現在、インド映画に対する日本の一般層への認知は少ない。
私のような映画好きからすると、インドは実は映画大国で、制作本数もハリウッド以上に作られているのは衆知の事実。
インド映画をボリウッドと呼ばれることもあり、名作もいくつか存在する。
(インド映画の中にも、北インド映画と南インド映画に分類され、内容の方向性も異なる。今回は割愛する。私も詳しくないので)
私の認識だと、最初に日本の映画ファンに知れ渡ったインド映画は『きっと、うまくいく』。
大学時代に人気者だった男を探す話。
3時間近い大長編なのだが、インドのみならず日本でもファンが多い印象。
個人的には『バジュランギおじさんと、小さな迷子』がとてつもなく好き。
題名の通り、中年のおじさんが迷子の少女を親に届ける話。
政治が絡んていて、簡単ではない旅路。
まるで孫悟空のような純粋なイケオジが、パワープレイで次々と問題を解決していく様が最高だった。
Blu-rayを買おうかどうか迷ったくらいの名作。
話を戻すが、『RRR』は『バーフバリ』シリーズの監督の最新作となる。
『バーフバリ』は興行的に最も成功しているインド映画で、映画ファンの私なので当然チェックしている。
個人的にはそんなにハマれず、全2作の内、前篇のみに鑑賞は留まっている。
だが、『RRR』が世間でとてつもなくヒットしており、恐らく、日本で一番ヒットしたインド映画になると思われる大盛況ぶり。
バーフバリが微妙だったのもあるので、あまり期待せずに鑑賞に至った。
ところがどっこい。
前半30分で私の心臓を鷲掴みにされた。
ダブル主人公で、1人は田舎の村育ちの男ビーム。
絵の特技に魅力された妹が統治するイギリス人の女に、誘拐される。
怒り狂い、妹を奪還を目論む。
もう一人の主人公の男はイギリス軍に籍を置く警察官ラージュ。
立場の異なる2人が友情を育む話。
冒頭、事故があり、橋の真下で火に囲まれた少年が川に浮かび、助けを求める瞬間に、ビームが遭遇する。
凄いシチュエーションなのだが、ひとまずバカになって受け入れておくと良い。
ビームは助けようとするも、策が浮かばない。
するともう1人の男ラージュも、同じ現場に遭遇する。
2人の立場は、敵同士。
だが、この時点で互いの素性を知るのは観客のみ。
すると、ラージュが他人であるビームにハンドサインで合図する。
少年を助けるためのサインで、ビームはすぐに理解し、動き出す。
ここからの救出劇が笑える。
何かもう凄すぎる。
凄すぎてバカげているんだけと、やけにスタイリッシュに見せてくれるのでとてつもなくカッコよい。
少年ジャンプをそのまま実写にしたような壮大なアクションである。
私は、このシーンを見せられて一発で本作の虜になった。
中盤以降も、大きな作戦になると、ハチャメチャなアクションを楽しませてくれる。
あらゆるシチュエーションでバリーション豊かな問題を解決していくのが最高。
またシナリオが良い。
ただカッコよいだけではなく、立場が対立関係にある2人の心の変化を丁寧に描いてくれている。
こんなのハマれない人はいるのだろうか。
いるんだろうけどかなりの少数派だと思われる。
痛快なエンタメ作品。
多くの人に観てもらいたい。
インド映画ならではのミュージカルシーンも多いが、歌やダンスのシーンもとても良かった。
全世界中の人に勧めたい最強エンタメ。
応援したくなる友情が描かれるおすすめ作品はコチラ。
■ぼっち・ざ・ろっく!
■チェンソーマン
RRRの作品情報
■監督:S・S・ラージャマウリ
■出演者:N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア
ラーム・チャラン
アジャイ・デーヴガン
アーリヤー・バット
シュリヤ・サラン
サムドラカニ
レイ・スティーヴンソン
アリソン・ドゥーディ
オリヴィア・モリス
■Wikipedia:RRR(ネタバレあり)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):95%
AUDIENCE SCORE(観客):94%
RRRを見れる配信サイト
U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(有料)
Netflix:-
※2023年11月現在