映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『オオカミ狩り』ネタバレなしの感想。極悪犯罪者VS警察の海上監獄バトルロイヤル

■評価:★★★★☆4

 

「閉鎖空間での戦いで生き抜くのは難しい」

【映画】オオカミ狩りのレビュー、批評、評価

 

『メタモルフォーゼ 変身』のキム・ホンソン監督による2023年4月7日公開の韓国制作のアクション映画。

 

【あらすじ】「オオカミ狩り」と呼称される凶悪犯の護送計画が行われる。万全の体制で挑むが犯罪者が反乱を起こす。

 


映画評論YouTuberがおすすめに挙げていたので鑑賞に至った。
あらすじはフィリピンに逃亡していた極悪人たちを本国、韓国に貨物船で護送する。
逃げ場のない海の上で繰り広げられるバトル・ロイアルを描くアクション物となっている。

鑑賞前は刑事たちと犯罪者集団が戦うシンプルな対立構造を連想した。
というか本作を鑑賞したほとんどの人はそう思ったはず。

蓋を開けるとダイナミックなジャンル転調を遂げる、予想をひっくり返す展開を迎える。
どんでん返しではなく、前半とは別ジャンルに切り替わるイメージ。

なので、物語の作り方が挑発的というか、型破りな印象を受けた。
そのため期待とは少し異なる展開が合わない人も一定数いそう。
個人的にはとてつもなく好きだった。
この中盤以降の展開の詳細は公式サイトでは伏せられているので、私も言及しないでおく。

本作を鑑賞して改めて思ったのは閉鎖空間の面白さ。
バトルは海のど真ん中の船の中で繰り広げられる。
逃げた犯罪者がどこに潜んでいるかわからない極限状態は緊迫感がある。
貨物船なので警官や犯罪者以外にも船にいる連中がおり、中には避難ボートを使って逃げようとしたり、韓国と連絡を取ろうとする者も現れる。

わずかな救いを求めるキャラクターたちにも共感出来るので、物語についつい入り込んで観てしまう。

閉鎖空間ものだと、最近は少年ジャンプ+の漫画『地獄楽』を鑑賞したが、やっぱり楽しかった。
処刑人と犯罪者が島に眠る不老不死の仙薬を探す冒険物。
作者は、処刑人と犯罪者を閉鎖空間に放るシチュエーションから地獄楽のあらすじを膨らませたと発言している。

他にも映画の『ソウ』『CUBE』もそうだが、閉鎖空間では動きが限定されるので、観客が展開を予想しやすいのが良いのだと思う。
そのため、観客の予想を超えた展開を見せてくれると、おっ、となって先をワクワクさせてくれる。

話を戻すが、敵である全身に入れ墨が入ったイケメンの極悪非道っぷりもたまらない。
同類である犯罪者たちの行動が少しでも気に入らないと、ノンブレーキで命を奪う。
雛形通りの悪役だが、閉鎖空間下では存在感が強烈。

主人公ら刑事たちは狂ったサイコパスを退治することが出来るのか。

キャラクターについては、刑事チームにいた女性刑事が個人的にタイプだった。
見た目もそうなんだが、知性が高く、強い女性は好みなので、彼女が上手くやり過ごすよう祈りながら画面を見守った。

というか、個性的なキャラが大量に登場するのも良かった。
誰かしらお気に入りのキャラはいると思うので、推しを見つけるのもあり。

当初のイメージとはまるで異なる結末に着地しするのだが、個人的には大満足。
多くの人に勧めたくなるが、かなり残酷な描写が多いので注意は必要。
特にスプラッターが苦手な人は敬遠するのが無難。
クセのある作りの物語なので、映画オタクほどハマると思う。

 


閉鎖空間のスリリングさを楽しめるおすすめ作品はコチラ。

■地獄楽

movies-ocean.hatenadiary.com

■アンフレンデッド

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■ガンニバル

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オオカミ狩りの作品情報

 

■監督:キム・ホンソン
■出演者:ソ・イングク
チャン・ドンユン
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):88%
AUDIENCE SCORE(観客):66%

 

オオカミ狩りを見れる配信サイト

U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(有料)○(Blu-ray)
Netflix:-
※2023年12月現在