■評価:★★★☆☆3.5
「総合格闘技を適合させたアクション」
【映画】導火線 FLASH POINTのレビュー、批評、評価
『HERO』『SPL/狼よ静かに死ね』『イップ・マン』シリーズのドニー・イェン主演の2011年7月16日公開のアクション映画。
【あらすじ】中国への返還を間近に控えた1997年の香港。正義感が強すぎるマー刑事は、逮捕の度に犯人に瀕死の重傷を負わせてしまうため、署内では問題児扱いだ。そんな彼が今追っているのは、ベトナム人3兄弟アーチャー、トニー、タイガー率いる凶悪な犯罪組織。相棒のウィルソン刑事が潜入捜査を行っていたが、トニーに正体を見破られてしまう。彼らはウィルソンの命を狙い、恋人のジュディを人質に卑劣な手段を使う。遂にマーの怒りが頂点に達し、マフィア相手に1人戦いを挑んでいく!
俳優ドニー・イェン主演の映画ということで鑑賞した。
ドニー・イェンといえば映画『イップマンシリーズ』でおなじみのカンフーの達人のアクション俳優である。
イップマンは実在の人物であり、詠春拳の達人。
何と、あの有名なブルース・リーの師匠にあたる人物である。
イップマン役として演じるからには、ドニー・イェンは撮影にあたって多くのプレッシャーを感じたと思われる。
ブルース・リーの師匠がイップマンなのは、アクションファン、ブルース・リーファンからすると有名な話。
多くのファンの期待に応える必要があったはず。
また、イップマンを題材にした映像作品はドニー・イェン主演以外にもいくつか存在する。
(キチ●イ映画として有名な『八仙飯店之人肉饅頭』の監督主演コンビも『イップマン』シリーズを制作している)
良作を作らなければいけない重圧をへともいわさない、とんでもないハイクオリティなカンフーアクションを、ドニー・イェンの『イップマンシリーズ』では見せてくれた。
そのため、私としてはドニー・イェンに対する信用度は高く、本作も期待して鑑賞した。
結論からいうと期待通り、素晴らしいアクションを楽しませてくれた。
まず、びっくりさせられたのが打撃だけではなく、投げや関節技を用いたMMA(総合格闘技)のアクションを行っている点。
イップマンは舞台が過去だが、本作は現代劇なので、MMAは親和性が高く、自然に鑑賞できた。
やはり、リアルな戦いって打撃だけは少ないと思う。
相手を掴む展開にはなるのは自然の流れ。
また、ドニー・イェンのMMAの技が美しい。
飛びつきの腕ひしぎ十字固めとか、三角絞めとか、スタイリッシュに関節技を決めているので、相当に見せ方にはこだわったと思われる。
また、ドニー・イェン自身も本作のために多くのトレーニングを実施した成果が、技のキレに現れていた。
(エンドロールではドニー・イェンの訓練シーンが鑑賞できる)
一本のアクション映画としては見ごたえがあり、満足度は高い。
微妙だった点がいくつがある。
本作のストーリーは部下の恋人が誘拐され、ドニー・イェン扮する主人公がキレるという流れ。
誘拐じゃなくて、命を奪われる流れでも良かったように思える。
そっちのがより主人公がキレて敵に挑む流れに共感できるし、応援する熱量も強くなるため。
何となく鑑賞していて、誘拐は主人公がキレる熱量と合っていなかった印象。
あと後半、謎に銃撃戦が多かったのが邪魔だった。
もちろん銃撃戦のアクションも面白い。
例えば一般人が普通に過ごしている市街地で、マフィアが銃撃戦をする『ヒート』はとんでもない迫力だった。
しかしドニー・イェンには求めていないタイプのアクション。
ドニー・イェンに期待するのは肉弾アクションのみである。
あと意味が分からなかったのが、裁判所シーン。
謎に裁判官がバッハのようなヅラを被ってるんだが、あれは何なのだろうか。
香港では裁判官はあーいった扮装するのが普通なのだろうか。
気になるところはありつつ、ドニー・イェンのアクションは堪能出来たので問題ない。
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■レイジング・ファイア
■キングダム2 遥かなる大地へ
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導火線 FLASH POINTの作品情報
■監督:ウィルソン・イップ
■出演者:ドニー・イェン
ルイス・クー
コリン・チョウ
ファン・ビンビン
■Wikipedia:導火線 FLASH POINT
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):43%
AUDIENCE SCORE(観客):67%
導火線 FLASH POINTを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)、○(字幕・見放題)、○(Blu-ray)
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※2023年8月現在