映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『ヘルドッグス』ネタバレなしの感想。警官が関東最大の暴力組織に潜入する

■評価:★★★★☆4

 

「バリエーション豊かなアクション」

【映画】ヘルドッグスのレビュー、批評、評価

 

『突入せよ! あさま山荘事件』『クライマーズ・ハイ』『駆込み女と駆出し男』『日本のいちばん長い日』『検察側の罪人』『燃えよ剣』『BAD LANDS バッド・ランズ』の原田眞人監督による2022年9月16日公開のアクション映画。
原作は『渇き。』のタイトルで映画化された『果てしなき渇き』の深町秋生

 

【あらすじ】復讐に生きる警察官の兼高昭吾は、関東最大のヤクザ組織への潜入捜査を命じられる。そして、秘密ファイルを奪取すべく、十朱へと迫っていく。

 

私が尊敬する映画、アニメを評論する岡田斗司夫が、公開当時に、本作をYouTubeの映画批評動画で強く勧めていたので鑑賞に至った。
実際の動画は以下。

youtu.be

ストーリーは岡田准一扮する警官の男は最愛の女性の命を奪われ、復讐し、犯人の命を奪う。
警察上層部に罪の免除と引き換えに、関東最大の暴力組織への潜入を命じられる。

岡田斗司夫のおすすめポイントとして、本作は岡田准一がアクションの振り付けをすべて考えており、大男から小娘まで、ありとあらゆる体躯や各シチュエーションに合わせたアクションを見せてくれて面白い、と評していた。

岡田准一といえば、ジャニーズのアイドルではあるが、ドラマ『SP』辺りからアクション俳優への本格化が進んでいった。
私は『ザ・ファブル』が大好き。
岡田准一が演じる命を奪う専門のお仕事を引退した男が、るろうに剣心さながら、コロサズ、の信念を貫きながらさまざまなトラブルに巻き込まれる漫画原作のコメディアクション映画。
命を奪う行為は得意だが、一般人としての生活能力は皆無で、ギャップが面白く、コメディとしてもアクションとしても最高だった。

本作もかなり期待して鑑賞した。
結論から言うと最高だった。
冒頭で、警察上層部の男がテンポの良い口調で、主人公に潜入捜査をやるように交渉する。
文語調混じりのセリフがどこか厨二病感を感じられてツボ。
(エヴンゲリオンシリーズを手掛ける庵野秀明作品にも同様の特徴が見られる。
そのため、庵野秀明好きは本作もハマりそう)

本作は全編に渡って早口だし、情報量も多い。
登場人物も多いので、ストーリーの状況把握は至難を極める。
だが、問題ない。
ストーリー自体はシンプルだし、メインは上記の通り、アクション。
今がどんな状況かなんかは、まるで分からなくても問題ない。

あと全然、関係ないんだが、暴力組織の幹部の1人にはんにゃの金田が配役されているのがめっちゃ気になった。
なんで金田?とずっと疑問だった。
とはいえ、演技は自然だったし、意外とインテリ暴力野郎感はしっくりきていたので問題はない。
むしろ本作に出たことで、俳優としての仕事が増えそう。
あと、組織の長がミュージシャンのmiyaviなんだが、絶妙に金田と似ていて、最初はどっちはどっちか分からない。

意外と坂口健太郎も良かった。
坂口健太郎といえば映画『ファイナルファンタジー14 光のお父さん』のゲーマー役がしっくりくる優男。
本作はサイコ役なので、冒頭は無理しているように見えて違和感が強かった。
だが、見ている内にしっくり来るようになったし、最後の方ではすっかり画面に映るだけで怖さを感じさせてくれた。
俳優としての能力の高さを見せつけられた印象。

本作のアクションは基本的に瞬殺劇なのが良い。
たまにダラダラとバトルする映画や漫画を見るけど、どうもリアリティに欠けて苦手だった。
本当の命の奪い合いは、むやみやたらに刀をキンキンやったりしないだろ、とツッコミたくなる。
本作は最後の最後まで一瞬で勝負が終わるのが好き。
長くても一つの勝負は、20秒くらいしかなかった気がする。

とにかく全体的にカッコつけマンな演出がされているので、生理的に受け付けない人も多そう。
個人的には漫画的でめちゃくちゃ好き。

少年ジャンプ漫画『ドラゴンボール』の担当だった鳥嶋は『ONE PIECEは構成が分かりづらく連載は反対だった。連載会議でも賛否両論だった。だが結果的にはヒットした。満場一致は意外とヒットしない』と印象的な言葉を残している。

きっと賛否両論の中でも、好きな人にはぶっ刺さる振り切り方をした作品は売れるんだろうなと、思った。
本作もそれに該当する。

 


良質な肉弾アクションが観られる作品のおすすめはコチラ。

■ベイビーわるきゅーれ

movies-ocean.hatenadiary.com

■導火線 FLASH POINT

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ヘルドッグスの作品情報

■監督:原田眞人
■出演者:岡田准一
坂口健太郎
松岡茉優
MIYAVI
北村一輝
大竹しのぶ
金田哲
木竜麻生
中島亜梨沙
杏子
大場泰正
吉原光夫
尾上右近
田中美央
村上淳
酒向芳
Wikipediaヘルドッグス
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):-
AUDIENCE SCORE(観客):69%

 

ヘルドッグスを見れる配信サイト

U-NEXT:-
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(Blu-ray)、原作はコチラ、漫画版はコチラ
Netflix○(見放題)
※2023年11月現在