映画『JFK』ネタバレなしの感想。ジョン・F・ケネディ暗殺事件を独自の説で暴く

■評価：★★★☆☆3.5

「未解決事件の真相に迫る面白さ」

【映画】JFKのレビュー、批評、評価

『プラトーン』『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『スノーデン』のオリバー・ストーン監督による1992年3月21日公開の史実に基づいたミステリー・ドラマ映画。

【あらすじ】1963年11月22日。テキサス州で第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・Ｆ・ケネディが狙撃されて命を奪われ、事件発生から2時間後、リー・ハーヴィ・オズワルドが犯人として逮捕された。しかし彼もその2日後、護送中にナイトクラブの経営者ジャック・ルビーに銃で命を奪われる。

定期的にチェックしている映画レビュー系ユーチューバーが2023年公開の『JFK 新証言　知られざる陰謀　劇場版』を勧めていた。
オリバー・ストーン監督のドキュメンタリー映画なのだが、2024年現在、JFKを知らない若い世代は多いと思うし、私も世代ではないため、そこまで詳しくない。

アメリカの空港名にもなっているJFKは、ジョン・F・ケネディという人物名の略称で、アメリカ合衆国第35代大統領である。

任期は1961年1月20日から1963年11月22日。
顔立ちの整ったグッドルッキングガイの大統領で、当時は人気があり、数多くの女性問題でスキャンダルを起こしていた。
ハリウッド女優のマリリン・モンローとの不倫は日本でも有名で、私も耳にした事がある。

そんなイケイケの彼は、在任中の1963年11月22日、テキサス州にて、オープンカーでパレード中に銃撃を浴びて命を奪われる。

犯人として逮捕されたのは、リー・ハーヴェイ・オズワルド。
オズワルドは犯行を否認するが、護送中にナイトクラブオーナーのジャック・ルビーによって命を奪われる。

在任中のアメリカ大統領が命を奪われる衝撃と、オズワルドの逝去によって今も尚、真相は闇の中。
何とも不可解な事件で、都市伝説界隈では多くのぶっ飛んだ都市伝説や陰謀論が生まれている。

有名なのは、ケネディが宇宙人の存在を公表しようとして、阻止された、なんてユニークな都市伝説がある。
今でこそアメリカ国防総省は、空軍が捉えたUFOの存在を明かしている。
だが、昔はUFO絡みは完全な秘匿情報だったので、面白い都市伝説で私は好きだった。

またエンタメ界隈でもケネディ事件のモチーフはたびたび扱われる。
有名なのは、伊坂幸太郎著の小説で堺雅人主演で映画化もされた『ゴールデンスランバー』。
平凡な男が、突然、首相の命を奪った犯人とされ、警察などに追いかけられる巻き込まれ型スリラー。

実際に「オズワルド」というワードも出てくるし、私は無茶苦茶好きな作品で原作小説も読了している。
多くの人に勧めたい傑作。

事件に話を戻すが、実際にもオズワルドが犯人した場合、おかしな点があまりに多く、恐らく別に犯人がいる説が濃厚とされている。

本作『JFK』はフィクションではあるが、多くの不可解な目撃情報や証拠を提示しながら、真犯人を暴き出す史実に基づくポリティカルドラマ。

内容は物凄く興味深い。
主人公の検事は複数犯説を提唱している。
事件の検証記録等が記載されているウォーレン報告書では、犯行当時、オズワルドは単独で、約5秒間で三発の銃弾を発砲したとされる。
だが、現場に残された使用されたと思われる銃は酷い旧式。
約5秒間で三発の銃弾を撃つ再現性は取れなかった。

他にも、パレードを観ていた観客は、実際に聞いた発砲音はオズワルドが実行したとされるレンガビル以外の様々な場所から聞いたことを明かしている。
しかし、ウォーレン報告書にはあくまでオズワルド単独犯としての記載がある。

明らかに、政府の何者かが関与していると思われ、怪しい人物と接触していき、真相がじわじわと見えてくる展開は面白い。

だが、いかんせん、キャラクターが多すぎる。
多くの関係者と接触するので、誰がどういった人物なのかを一度の鑑賞で完全に把握するのは難しい。
そのため、私は鑑賞中に理解が怪しくなったら、Wikipediaのあらすじで復習して理解を深め、映画に戻る、を繰り返した。
また完全に理解を目指すなら、この事件を予習復習なりして、深くまで理解する必要がある。
また上映時間も、3時間半という強気の長さ。
相当な映画化ファン、都市伝説ファンじゃないと楽しめそうにない一癖ある代物。

難しい内容だったが、この手の未解決事件は好みな私はそこそこ楽しめた。
どこかで続編的な立ち位置の『JFK 新証言　知られざる陰謀　劇場版』も鑑賞したい。

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