映画のくれた時間

約1500本の映画を鑑賞した小説家志望の男が、ネタバレなしで映画のレビューや解説を書いてます(たまにアニメ・ドラマ・小説も)。面白いおすすめ映画を探している人向けのブログ。

映画『さかなのこ』ネタバレなしの感想。お魚博士のさかなクンの半生を描く自伝コメディドラマ

■評価:★★★☆☆3.5 

 

「自分の好きな題材を追求する素晴らしさ」

【映画】さかなのこのレビュー、批評、評価

 

南極料理人』『キツツキと雨』『横道世之介』の沖田修一監督による2022年9月1日公開のコメディドラマ映画。
原作はさかなクン著の自伝本『さかなクンの一魚一会 ~まいにち夢中な人生!~』。

 

【あらすじ】魚が大好きすぎる小学生のミー坊。他の子とちょっと違うと心配する父親とは対照的に、魚が好きなことを応援し続けてくれる母親に見守られ育つ。やがて高校生になり、魚好きにはますます磨きがかかる。

 

本作は、お魚博士で有名なさかなクンの半生を描いた自伝的コメディドラマ映画。
私はさかなクンが好きで、さかなクンが過去に出版した本作の原作ともなる自伝本も読んでいる。

さかなクンの愛する魚に対してギョ突猛進で、一直線に探求し続ける人間性、純粋さには惹かれる。

私には子供の頃からハマれる物が何一つなかったのが悩みだった。
学校の勉強は、何が面白いのか分からず、通信簿もMAX5中、2か、3ばかり。
習っていたサッカーも野球も、親が辞めさせてくれないから、という理由で仕方なく続けていた。
小学校1年生の頃、毎朝、一枚、絵を描く時間を設けられていたのだが、何を描いて良いか分からず、毎日、海に浮かぶヨットの絵を描いていた。

特に若い人は、何をやればいいのか分からない悩みを持つ人は多いのではないだろうか。

さかなクンの好きな魚に寝食を忘れて没頭する純粋さには、どこか憧れの念を持つ。

話を戻すが、本作の公開当時、本作は主演がのんであることが、話題になっていた。
さかなクンは男なのに対して、女優ののんが演じるという、思い切った采配。
でも私は何の心配もしなかった。
のんのような無性別感というか、超然的な存在感はさかなクンに通ずるものがある。

実際に鑑賞すると、まるで違和感がない。
のん扮するミー坊(さかなくん)のキャラがやっぱり最高だった。
象徴するエピソードとして、高校生になったミー坊は釣りしてるときに、色々な事情で暴走族のヤンキーに絡まれる。
総長やら子分やらにケンカを売られるのだが、意に介さず釣りをし続けるミー坊。
何なら「ねえ総長、今度、一緒に釣りしようよ」と屈託のない笑顔で誘う。

もはや総長はケンカを売るのがバカらしくなるし、何ならミー坊に興味すら抱き始める。

こんな感じで、ミー坊はさまざまな困難が降り掛かってくるのだが、持ち前の純粋さや明るさで、難なく解決していく。
観ていて応援したくなるし、見守りたくもなる。
のんじゃないとさかなクンを演じれなかったであろう圧倒的な空気感だった。

後、本作でも良く出てくるのだが、さかなクンの魅力の一つは、魚の絵にある。
ただ上手いだけではない。
さかなクンが描く魚の絵は、魚が好きで好きでたまらない愛が込められていて、とにかく可愛らしい。
本作はさかなクンが子供の頃に描いた絵をスタッフが模写したらしいのだが、バッチリ、良い作品に仕上がっていた。

総長など、悪役のようなキャラも出てくるが、ミー坊と交流することですぐに改心されていく。
ミー坊のキャラクターが魅力的な良い作品だった。

余談だが、今でこそ私は、小説や映画にハマり、小説の執筆に多くの時間を割いている。
生みの苦しみはありつつ、良いアイディアが浮かんだときの快楽はたまらない。
自分の作品を添削してくれる先生に褒められたら嬉しい。
だから、いつか出版できるよう、作品作りに夢中になっている。
私もさかなクンの熱量に、少しは近づけているだろうか。
もっともっとさかなクンのように純粋に好きなことを追求して、幸せな日々を堪能したい。

 


純粋系の魅力的なキャラクターの主人公が物語をぐいぐい引っ張る作品のおすすめはコチラ。

■自由研究には向かない殺人

movies-ocean.hatenadiary.com

■クイーンズ・ギャンビット

movies-ocean.hatenadiary.com

■RRR

movies-ocean.hatenadiary.com

 

さかなのこの作品情報

■監督:沖田修一
■出演者:のん
柳楽優弥
夏帆
磯村勇斗
岡山天音
さかなクン
三宅弘城
井川遥
Wikipediaさかなのこ

 

さかなのこを見れる配信サイト

U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(見放題)○(Blu-ray)、原作はコチラ
Netflix○(見放題)
※2024年2月現在