映画『僕を育ててくれたテンダー・バー』ネタバレなしの感想。父のいない少年が愉快な叔父と出会う

■評価：★★★☆☆3

「本当の男とは何か」

【映画】僕を育ててくれたテンダー・バーのレビュー、批評、評価

『オーシャンズ』シリーズ、『マイレージ、マイライフ』『ゼロ・グラビティ』などの俳優として活躍するジョージ・クルーニーが監督を務めた2022年1月7日配信のドラマ映画。

【あらすじ】J・R・モーリンガーの父親は彼が生まれた直後に突如失踪した。青年になったモーリンガーは父親代わりになってくれる存在を求め、叔父（チャーリー）が経営するバーに足繁く通っていた。本作はモーリンガーがチャーリーやその店の常連客との交流を通して、自己を確立していく姿を描き出す。（Wikipedia引用）

私が尊敬するアニメ、映画、漫画等を評論するMENSAクラスのIQを持つ岡田斗司夫が、YouTubeで本作を勧めていたので鑑賞に至った。

該当の配信動画は下記。

youtu.be

私が知る限りだと、本作を勧めている著名人は彼くらいで、映画界隈のSNSでは、本作に言及しているのは見たことがない。

かなりマイナーな作品のようだが、Amazonプライムオリジナルの映画で劇場公開されていない様子。
そのため、世間には存在そのものが知られていないのかと思われる。

岡田斗司夫は映画『テッド』や『クライ・マッチョ』と比較して語っている。
私はこの2作を良く知らないのだが、本作を含め、【本当の男とは何か】をテーマとして語ってている。

主人公の父が育児放棄して家に帰らなくなり、シングルマザーの母と実家に帰り、そこに住んでいた叔父が父親代わりになるストーリー。

ベン・アフレック扮する叔父の雰囲気が最高だった。
バーに勤める叔父は仕事終わりに、いつも酒を飲みまくっている。
母の実家に帰った翌日、主人公に対してソファで寝っ転がる叔父は「いいか、これが男の土曜の朝の姿だ」と偉そうに説明する。

Theダメ男って雰囲気が最高だった。

とはいえ、叔父は常に主人公の味方でいてくれる。
主人公は小説家になりたい夢があり、母親には「アンタには出来ない」と否定する。
だが、読書家の叔父は主人公の文章を読み「お前は才能がある。きっと小説家になれる」と肯定する。
主人公はすぐに叔父を気に入る。

褒められたり、肯定されたりする経験は子供にとって、夢を追うモチベーションとなる。
それに自分が認められたような気がして嬉しくなるし、否定してくる存在と比べたら、味方でいてくれる人には心も開きたくなる。

主人公は叔父に懐いて、バーに入りびたるようになるのは必然。

その後も良く分からない叔父なりの「男とはこういうものだ」の哲学を主人公に叩き込むようになる。
細かい内容は忘れたが、どうでも良い下らない内容ばかり。
でも叔父は良い人で、子供である主人公の相手をしてくれるし、バーの常連客も良い人ばかり。
まるで、バーが親戚一同が集まってるような、主人公にとって温もりを感じられる貴重な場になる。
私もこんな家以外の居場所があったら良いな、と羨んだ。
私は両親とはうまが合わなかったので。

あと、叔父の友人たちと車で海に行ったりと、遊びに行くシーンも無茶苦茶良かった。
叔父が運転する車で友人たちの家を巡り、１人ずつ拾っていく。
みんな民度の低そうな輩みたいな連中。
１人だけいた女性が唯一まともそう。
あまり深堀りされないシーンだったのが残念。
もっと主人公と叔父の愉快な仲間たちの交流を描いてほしかった。

全体の感想としては、そこそこの満足度といったところ。
叔父は良い奴ではあるんだが、そんなに主人公の人生の転機に関わっていないように見えた。
ただ仲の良い友達といったところ。
またストーリーの起伏も小さく地味な内容なので、感情を激しく揺さぶられることも少ない。

ただ、父親には恵まれなかった主人公だが、彼の人生は豊かなである充実したものとなり、憧れを抱いた。

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■さかなのこ（主人公のすべてを容認する母が魅力的）

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