■評価:★★★☆☆3
「人から恨みを買ってはいけない」
【映画】#マンホールのレビュー、批評、評価
『私の男』の熊切和嘉監督による2023年2月10日公開のミステリースリラー映画。
【あらすじ】結婚式を翌日に控えた男が、謎めいたマンホールに転落してしまう。脱出できずに次々と危機に見舞われていく彼は、タイムリミットが迫る中SNSを駆使して懸命に脱出を試みる。
前の職場のジャニヲタ女子との会話の中で挙がってきた映画。
(主演は元ジャニーズの中島裕翔)
彼女は劇場で観て微妙だったとの感想なのだが、設定があまりに興味深かったのと、たまたま加入中だったNetflixに配信されていたので、年末年始休みのタイミングで鑑賞に至った。
仕事も出来るし、職場仲間からの人望も厚い男が、美人の奥さんとの挙式の前夜祭パーティから物語は始まる。
渋谷のパーティ会場に集まった大勢の職場の人に祝福されたThe成功者の主人公は帰り道、蓋の開いていたマンホールに落ちてしまい、脱出を試みるストーリー。
あまりに斬新なかつ分かりやすい設定は、エンタメ映画、漫画、小説好きなら食いつくのではないだろうか。
私はまんまの餌に引っかかった。
主人公が試みる脱出方法が、どれもユニークで面白かった。
まず、マンホールに設置されたハシゴが老朽化して昇れない。
警察に電話してもマンホールを見つけてもらえなかった。
そのため、主人公はスマホの動画撮影機能を録画状態にし、マンホール上にぶん投げ、外の様子を確認する。
この方法はシンプルだが、文明機器を上手く活用したユニークな方法でワクワクした。
渋谷で飲んでいたとはいえ、警察にも見つけられなかったし、落ちた場所が渋谷のどこなのか調べる必要がある。
果たして何が映っているのか。
あと、予告にも描かれていたので書くが、SNSに『マンホール女』と、アカウントを作って助けを求める流れも面白い。
ネット民の食付きを上げるため、ご丁寧に拾ってきたアイドルの画像を加工して別人にし、素人女性のフリをするのだから悪知恵が働いている。
こんな感じで、令和の映画ならではのユニークな発想で脱出を試みようと奮闘するので、ついつい先の展開が気になってしまう。
このあともバカらしいけど、笑える展開も多く用意されている。
とはいえ、面白かったのは中盤まで。
終盤に差し掛かる辺りで、主人公の裏の顔が明かされるのだが、あまりにぶっ飛び過ぎていて何だか萎えてしまった。
もっと序盤で明かされるのならまだしも、遅すぎるので力技に見えてしまった。
犯人の正体も魅力に欠けるし、設定だけが面白い典型的な尻窄み映画。
なぜ、本作を教えてくれた彼女が微妙な感想を残したのか納得。
あとは、やたらと主人公が有用な道具を持っているのもご都合主義に見える。
普通、男だったら日常的に持ち歩いていないだろ、とツッコミたくなる。
物語が進むにつれて脚本の甘さが露呈していく。
アイドル映画として制作されていると思われるので、映画ファンはお呼びではないのだろう。
とはいえ、中盤まではユニークなアイディアを面白がれるし、短い上映時間なので、興味がある人は観ても良いと思う。
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#マンホールの作品情報
■監督:熊切和嘉
■出演者:中島裕翔
奈緒
永山絢斗
黒木華
■Wikipedia:#マンホール
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):95%
AUDIENCE SCORE(観客):-
#マンホールを見れる配信サイト
U-NEXT:○(有料)
Hulu:○(有料)
Amazonプライムビデオ:○(有料)、ノベライズはコチラ
Netflix:-
※2024年2月現在