■評価:★★★☆☆3
「多種多様な命の奪い方」
【映画】テリファーのレビュー、批評、評価
2023年5月5日公開のアメリカのホラー・スプラッター映画。
【あらすじ】ハロウィーンパーティーの後、ダイナーに寄ったタラとドーンは、そこでピエロメイクをした男性と出会う。その後、タラたちが店を出る一方で、ピエロの男性はある店員を殺そうとしていた。
本作は、製作自体は2016年だが、日本では長らく劇場未公開だったマイナーなホラー映画となる。
劇場公開しないということは、映画配給会社のバイヤーの目に止まらなかったということ。
つまり、駄作である可能性の大きさを示唆する。
映画配給会社も損はしたくないから、できる限り客が入りそうな作品を買いたいと思うのは必然。
「洋画を含む外国映画は面白いけど、邦画はクソだ」みたいな意見を聞く機会がある。
その理由の一つに、邦画は日本ですべて公開されているが、洋画は上記の通り、選別された一部の作品のみが日本に入ってきて公開されるため。
では、なぜ私が鑑賞したかというと、本作の続編『テリファー 終わらない惨劇』が、本国アメリカで大きな話題となったから。
あまりに内容が猟奇的でハードが描写が多いため、途中退席者が続出したそう。
そんな作品が日本に上陸する、といった惹句が、映画のニュースサイトにアップされていたので、興味を持って一作目を鑑賞した。
第一印象としては、キャラクターが素晴らしい。
主人公の友人のぶっ飛んだ行動は特に最高だった。
冒頭、主人公の若い女性と友人の女性の二人は、深夜のレストランで、本作のサイコパスである敵役のピエロと出会う。
友人が視線を外した隙に、ピエロは主人公にだけに向かって手を振ったり、不気味な笑顔を見せてくる。
友人がピエロに目をやると、途端に視線を逸らす。
主人公は当然、怖がる。
だが、頭のイカれた友人は「何を怖がる必要があるの?」といった具合に、ずかずかとピエロに近づき、隣に座り、顔に頬をくっつけて写真を撮る。
このいかにも性的に奔放で、馬鹿っぽいアメリカ人らしい行動が面白い。
一方で主人公は常識のあるタイプの人間なので、コンビの対比がえぐい。
分かりやすいキャラの演出に先の展開をワクワクさせてくれた。
もちろん、ピエロのキャラ性もやばい。
ピエロは、命を奪うことしかしない。
それもひどく残忍な方法で。
多種多様な命を奪い方を見せてくれるのが本作の見せ場。
伏せておくのでこれから視聴する人は楽しみにしていてほしい。
あとピエロのデザインも良かった。
頬が痩けた感じで、全身タイツの上にメイクをしている感じ。
仮面をつけたサイコパスは良く見掛ける。を
だが、本作のようなデザインは初めて見たので、ちょっとした新しさは感じられた。
動機は一切描かれないのも良い。
ピエロはなぜ、他人である主人公らを襲うのかが不明。
ただ、血を求めて、残虐さを振りかざすのみ。
もし動機が描かれ、しかも理解できるような内容だったら感情移入してし、恐さが半減する。
人間ドラマとしては良質になるんだろうけど、本作はドラマ性は一切捨てている。
このホラーに振り切った覚悟が伝わってくるので良かった。
とはいえ、しょぼいシーンもある。
そんな短時間で簡単に人間を●●できるのか、といった突っ込みどころが数多く存在する。
たぶん、監督はそういった細かいところは捨てているんだと思う。
ただ、ユニークなピエロをいかに残虐に描くか、に注力を注いでいる印象である。
ピエロのキャラクターも良かったので、ぜひとも続編を鑑賞したい。
やっぱりホラー映画は敵役の魅力で善し悪しが決まる。
人間が恐い映画のおすすめ作品はコチラ。
■ガンニバル
■死刑にいたる病
テリファーの作品情報
■監督:デイミアン・レオーネ
■出演者:ジェナ・カネル
サマンサ・スカフィディ
デビッド・ハワード・ソーントン
キャサリン・コーコラン
■Wikipedia:テリファー(英語)
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):55%
AUDIENCE SCORE(観客):52%
テリファーを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:-
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)、○(字幕・見放題)、○(DVD)
Netflix:-
※2023年5月現在