■評価:★★☆☆☆2.5
「強盗は大変」
【映画】ウェイ・ダウンのレビュー、批評、評価
『REC/レック』シリーズのジャウマ・バラゲロ監督による2022年6月10日公開のスリラー映画。
【あらすじ】長年追い求めてきた財宝の在り処を示すコインを発見したイギリス人のウォルターとジェームズ。しかし、スペイン政府に没収され、世界一鉄壁といわれるスペイン銀行の地下金庫に保管されてし(映画.com引用)
定期的に視聴している映画レビュー系YouTuberが本作を勧めていたため、鑑賞に至った。
チームで1つの目標に向けて邁進する話は胸が熱くなる。
私は二十代半ばから後半にかけて、とある遊びに熱中していた。
同じ目的を持つ仲間たち5、6人と毎週末のように集まって、命を削って取り組んでいた。
時には苦痛に苛まれる局面に魘われる。
ぐらつくメンタルを仲間たちで支え合い、何度も苦難を乗り越えた経験は、少し遅れた青春だった。
野球やサッカーなどのチーム・スポーツに本気で取り組んだ人も、チーム物の物語に感情移入できると思う。
とはいえ、ボクシングやテニスのような個人競技も、先生と交流しながら頑張るので、チーム的な側面もあるように思える。
本作は、天才的な頭脳を持つ大学生のトムを中心にチームを結成し、スペイン銀行に厳重に保管されているお宝をいただく話。
正直、おすすめされていたから観たものの、設定の鮮度は薄め。
銀行などからお宝を奪うチームものは、すでに人気作品たくさん存在する。
パッと浮かんだのは、一流の犯罪者11人でラスベガスの金庫から大金を強盗する『オーシャンズ11』。
対象者の夢に侵入にして隠されたアイディアを盗む企業スパイのチームもの『インセプション』。
私は未鑑賞だが、凄腕マジシャンたちが盗みを実行する『グランド・イリュージョン』など。
本作は上記の映画のようにチームを結成し、シンプルにセキュリティががちがちで固められた銀行からとあるものを手に入れようとする。
準備段階として、金庫を開ける鍵を手に入れるための事前作戦など、本作ならではのユニークな展開はある。
金庫の中にあるお宝の部屋に仕掛けれている厄介なトラップを大胆なアイデアで突破したりと、脚本を練り込んで制作した感はある。
だが、基本的にはオーソドックスな流れではあるので、既視感が強く、なぜ本作が作られたのかの必然が感じられず、物語には入り込めなかった。
すでに多くの映画で擦られまくった強盗モノの設定を作るなら、もっと大胆な視点からアイデアを練り、設定の段階から観客の興味を惹かせて欲しい。
私が特に好きな強盗モノは、鬼才クエンティン・タランティーノ監督のデビュー作『レザボア・ドッグス』が挙げられる。
強盗を実行するための作戦会議をファミレスかどっかで行っているシーンから物語は始まる。
いざ、これから実行に移るぞ、って段階でシーンが切り替わり、強盗後に落ち合う予定であった倉庫のシーンに移る。
メンバーは揉めているが、どうやら作戦は失敗したらしい。
すでに張り込まれていた警察に繋がっている内通者を暴く展開になる。
強盗モノなのに強盗シーンを一切見せない斬新さ。
会話劇だけでキャラ同士の対立を盛上げ、結末に向かっていく脚本のうまさには感心させられる。
こんな斬新な強盗モノの名作を観てしまった後では、本作のような時代錯誤なオーソドックスの作りには満足できない。
オーソドックスにやりたいなら、SF設定の見たこともないガジェットを駆使したりと、徹底的にアイデアを練ってほしいところ。
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■ゴジラ-1.0
ウェイ・ダウンの作品情報
■監督:ジャウマ・バラゲロ
■出演者:フレディ・ハイモア
アストリッド・ベルジュ=フリスベ
サム・ライリー
リアム・カニンガム
ルイス・トサール
アクセル・シュタイン
ホセ・コロナド
ファムケ・ヤンセン
■Wikipedia:ウェイ・ダウン
■映画批評サイト「rotten tomatoes」によるスコア
TOMATOMETER(批評家):58%
AUDIENCE SCORE(観客):51%
ウェイ・ダウンを見れる配信サイト
U-NEXT:○(見放題)
Hulu:○(見放題)
Amazonプライムビデオ:○(吹替・見放題)、○(字幕・見放題)、○(DVD)
Netflix:-
※2024年6月現在